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「いいね」のシッポ
2018 / 10 / 17 ( Wed )
シジミは、私が治療をしている時は、治療スペースと待合室をさえぎるカーテンのそばにいます。
たぶんそこなら私の声が聞こえて安心だからなのだと思います。
カーテンの内側の治療スペースには、私から「入っちゃだめだよ」と言われているので、それはきちんと守って治療スペースに入ってくることはありません。
でも、患者さんが顔なじみの常連さんだったりすると、たまに鼻先がカーテンの下から出ていて、「シジミちゃん、鼻がカーテンから出てるわよ(笑)」なんて言われたりします。

先日、シジミのことが好きな常連さんが来院されました。
シジミもその方がすきなので、うれしそうに玄関でお出迎えしました。
「シジミちゃん、こんにちは♪元気だった?」
シジミはうれしそうに盛大にしっぽを振っています。

治療が始まると、シジミはカーテンのすぐ向こう側に寝そべりました。
シジミはたいていそのまま静かにじっとしていますが、ときには眠ってしまって気持よさそうなスースーという寝息が聞こえてくることもあります(笑)。

犬好きなその方とは、治療をしながらの話題も自然に犬の話題が多くなります。
いろいろ話すうちに、やがて話題は盲導犬についての話になりました。
そこで私は、
「実は、私は盲導犬についての『盲導犬リアルライフ』というブログを書いているんですよ。」
という話をしました。

するとその時、カーテンの向こうから
「ポン、ポン、ポン」
という音が聞こえてきました。
それは、シジミがしっぽで床をたたいている音なのでした。
さきほども書きましたが、ふだんカーテンの向こうにいるとき、シジミはたいていじっとしているか、眠っているかなので、そんな風にしっぽを振ることはありません。
あまりにタイミングよくしっぽの音がしたので、私たちは思わず一緒に笑ってしまいました。
私が
「もしかしたら、シジミは今の話を聞いていたのかもしれませんよ」
と言ったので、
その方が
「あれ、もしかしてシジミちゃん、今の話を聴いていたの?」
とカーテン越しに話しかけました。
すると、
「ポン、ポン、ポン」
とまたしっぽの音が返って来るのでした(笑)。

そういえば、シジミにはこのブログにシジミのことを書いていることをときどき話していました。
「こんど、シジミのこんな話をブログに書いたよ」と伝えると、シジミはいつも「それはいいね」とばかりに私の顔をなめるのでした。
人間からの「いいね」はどれくらいもらえているかはわからないけれど、シジミからは記事についてけっこうな数の「いいね」をもらっていると思います(笑)。

なので、シジミはこのブログのことはけっこう知っているようです(笑)。

そこで、私もシジミに話しかけてみました。
「シジミ、あのブログにはシジミの話も沢山出てくるんだよね!」
そうしたら、カーテンの向こう側からは、
「ポンポンポン、ポンポン!」
という盛大なしっぽの音が返ってきたのでした(笑)。

今年は仕事やそれ以外のことで時間をとられてしまうことが多くて、しばらく記事をかけずにいたのですが、これからまたちょくちょく記事を書いて、シジミから「いいね」をもらおうと思っています(笑)。


最近読んだ本:
『ルリユール』村山早紀著 
『カラハリの失われた世界』バン・デル・ポスト著 
『旅先のおばけ』椎名 誠著
『小説・夏目友人帳』緑川ゆき原作

最近聴いた音楽:
『ピアノ・リフレクションズ』デューク・エリントン
『シー・イズ・ファントム』ハロルド・バッド
『バルトーク ピアノソロ・コンプリート・コレクション』ゾルタン・コチシュ
『シネマ』村治佳織
『ドルチェ』千住真理子
『フォー・ザ・ローゼズ』ジョニ・ミッチェル
『ファントム・オブ・ザ・ナイト ベスト・オブ・カヤック』カヤック
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シジミの「悲しみ作戦」
2018 / 10 / 05 ( Fri )
シジミはとてもおしゃべりな犬です。
盲導犬といえば、たいてい「決してほえない、声を出さない」というイメージを持たれていると思います。
もちろんシジミもハーネスをつけている仕事中は声を出しません。
でも、家に帰ってハーネスをはずすと、シジミはとたんにおしゃべりになります(笑)。
おしゃべり、といっても「ワン!」とほえることはなく、そのときの気分によって、さまざまな声色を使い分けて何かを伝えようとするのです。。

一頭目の盲導犬スースーは、家の中でもほとんど声を出すことはありませんでした。
スースーが声を出す時は、私がごはんの用意をする時に待ちきれずに「クゥン、クゥン」と鳴くだけだったので、シジミがたくさん声を出すことに最初はびっくりしました。

たとえばシジミは、私がリビングのテーブルにすわっていると、トコトコと近づいてきて、
「アウーン、アオーン、ヒュイーン」
なんて話しかけてきます。それぞれのフレーズの声のトーンの高低や声の出し方を変えているので、なにかを伝えようとしているらしいのですが、私にはその言葉はよくわかりません(笑)。
声の種類は、
「ゴー」というすごく低いものから、「アー、ウー、オー」といった中くらいの高さの声、そして「ヒュイーン」
というすごく高い音までさまざまです。

初めの頃は、おもしろがってその声音をまねしてみたりしたのですが、それをやっていると、そのうちシジミは
「ワン!」
とほえて怒るのでした。「ふざけないで!」と言っているようです(笑)。

シジミがあまりいろいろしゃべるので、家族とは「シジミはいつか本当に言葉を話し出すかも(笑)」と言っているくらいです。

あとシジミは、家族でテレビドラマなどを見ていて自分がほおっておかれると、
「ブー」という低い声で文句を言ってきます。
人も犬も「ブーイング」は共通のようです(笑)。

ブーイングをしても、家族の誰も相手をしてくれないときは、シジミは最後の手段に出ます。
そういうとき、シジミはまずその場から少し離れた場所に移動してうずくまります。
それからこれ以上ないくらい悲しげな声で、
「ヒュールルルル~、ヒュールルルル~」
と泣き始めます。
その声はまるで
「世界中に私みたいにかわいそうな犬はいません」
と言っているかのような切ない響きです(笑)。
これを何度か聞かされると、そのうちその声で情にほだされた家族が立ち上がってシジミのそばに行くことになります。
「しじみ、どうしたの?そんなさみしそうな声出して。」

でもこれは、シジミの作戦なのです(笑)。
私や家族がシジミに近づいていっても、シジミはまだ動こうとしません。ペッタリと床にふせたまま、まだ悲しみのオーラを漂わせてさびしそうにじっとしています。
そして距離を充分にひきつけて、誰かがすぐそばでひざまづいたりして自分の間合いに入るまで待ちます。
そしてその瞬間、シジミはパッと勢いよく立ち上がります。さっきまでの悲しそうな様子はどこかへ消え去り、しっぽを盛大にブンブン振りながら、
「さあ、なにして遊ぶ?」
と遊びモード全開です。

この時になって、シジミの作戦に気づいてももはや手遅れです(笑)。
さきほどとは打って変わって遊ぶ気満々のシジミにつきあわされて、シジミの大好きな追いかけっこやボール遊びをすることになるのでした(笑)。

「シジミ~!だましたな~!」
と文句を言っても、シジミは
「いいじゃん、気にしない気にしない!」
とばかりにこちらの顔をなめてごまかすのでした(笑)。


最近読んだ本:
『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』鴻上尚史著 
『「大峡谷のパピヨン」ほかクラッシュ・ブレーズ・シリーズ』茅田砂胡著
『佐藤 優さん、神は本当に存在するのですか? 宗教と科学のガチンコ対談』竹内久美子、佐藤 憂著
『千鶴子には見えていた 透視はあっても不思議はない』竹内久美子著
『アポロンと5つの神託』リック・リオーダン著

最近聴いた音楽:
『ばるとーくソロ・ピアノ・コンプリート・コレクション』ゾルタン・コチシュ
『ナイトフォール』アリス=サラ・オッド
『幻の映像』P.F.M.
『オクトパス』ジェントル・ジャイアント
『トリック・オブ・ザ・テール』ジェネシス
『ソングライン』くるり
『ジャンゴ・ラインハルト・ソロ&デュオ・コレクション』ジャンゴ・ラインハルト
『DEVLIN』THE TONY RICE UNIT
『OMBRE』ROMANE
『バック・オン・トップ』ヴァン・モリソン
『エッセンス』ルシンダ・ウィリアムス
『イントゥー・カラー』ルーマー




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10秒間の長いためいき
2018 / 02 / 18 ( Sun )
シジミは現在5才、こんどの春には6才になります。
盲導犬のキャリアとしては折り返し地点という時期にあたります。

シジミも人間で言えばそろそろアラフォー女子(?)です。

これまでは、シジミは若くてまるでアスリートのように弾力のある筋肉をしていて、さわってみても筋緊張があまりなく、スースーにやっていたような鍼(皮膚に刺さない鍼)や筋緊張をゆるめるマッサージはあまりやっていませんでした。
でも年齢を考えると、これからは少しずつ鍼やマッサージのケアが必要かな、と思うようになりました。

シジミは、しょっちゅう私の所へケアの催促をしてきます。前脚で私の脚をパンパンと叩いて「ねえ、マッサージしてよ」と言って来ます(笑)。
これは、私が初めて訓練でシジミに出会ってマッサージをしてあげてからの習慣になっています。
以前の記事『シジミ、マッサージに出会う』にも書きましたが、私は盲導犬の訓練でシジミと初めて出会って居室に泊まったときにシジミにマッサージをして、それ以来シジミはそれがお気に入りになったのでした。

もっともわが家に来た頃はシジミはまだ若かったので、マッサージといいってもリラクゼーションやヒーリングを目的としたものを主にやっていました。

最近はリラクゼーションてきなマッサージだけでなく、皮膚に刺さない鍼をつかっての全身調整や、首肩、下半身などの筋緊張をゆるめるマッサージもするようになりました。

シジミが前脚で私の脚をパンパン叩いてケアをリクエストして来たら、私は床にすわります。
するとシジミがやってきてまず私の顔をひとしきりなめます。この事前に私の顔をなめるのがシジミ流の「ありがとう」のサインです。
シジミの場合はこれが「先払い」らしいです。スースーのときはマッサージが終わってから私の顔をなめたので、スースーは「後払い方式」だったようです(笑)。

それからシジミは、横になって私のひざに頭をのせます。
私は先ず横になったシジミの頭のてっぺんのツボから始めて、背骨の両脇のツボに皮膚に刺さない鍼(人の治療に使う専用の金属の棒)を上から下へと順番に当ててゆきます。これはにんげんの治療の場合と変わりません。
鍼を当てたツボが反応すると、私の手に電気のようなピリピリした感じが伝わってきて、やがて鍼を持った指先が温かくなってきます。これは当てている鍼が効いている、という反応です。
スースーはこれをやると、必ず気持よさそうに「ウーン」とうなってお腹を見せてひっくり返ったものでした(笑)。シジミはそこまで反応しませんが、「フー」とため息をついてしんたいの力が抜けてグンニャリしてきます。

これをやった後に、首肩、腰、しっぽの付け根、前後の脚の筋緊張がある部分をマッサージでゆるめてゆきます。
そして最後にメンタルに関わる気のながれを調整して終わります。このメンタル的な調整は、仕事で緊張する場面も多い盲導犬にとって必要なことだと私は考えています。
これらのケアがひと通り終わると、シジミは完全に脱力して身体はフニャフニャになり、身体のまわりの空気の温度が上がってまるで身体のまわりに見えない毛布がかけあられたようになります。

先日、こんな感じで以前より時間をかけたケアを行なったら、シジミが気持よさそうに
「ヴ~~~」と声が混じった10秒くらい続く長~いため息をつきました(笑)。
10秒も続くこんなに長いため息は初めて聞いたので、この新しいケアはけっこう気持ち良かったようです。
そして、ケアを終えてひざから頭をおろしても、シジミは全く反応せずに、身体をにゅ~っと床に伸ばしたまま爆睡していました。

シジミの表情は私には見ることができませんが、きっとその寝顔はちょっと笑っているように見えたと思います(笑)。

☆最近読んだ本:
『犬が来る病院』大塚敦子著
『幸田文どうぶつ帖』幸田 文著
『森茉莉 私の中のアリスの世界』森茉莉著
『心にのこった話』鶴見俊輔ほか編
『三崎日和(いしいしんじのごはん日記2)』いしいしんじ著
『学校で教えてくれない音楽』大友吉秀著
『空の中』有川 浩著
『意識は傍観者である 脳の知られざる営み』デイビッド・イーグルマン著

☆最近聴いた音楽:
『フィルモア・イースト・ライブ』オールマン・ブラザース・バンド
『ストレンジ・ソングブック』細野晴臣
『矢野山脈』矢野顕子
『ゴンチチ ライブ』ゴンチチ
『ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」~ラベル編曲』ドゥダメル指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
『バルトーク:ピアノ作品集』コチシュ


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盲導犬は「かわいそう」か その2~かわいそうな状況とは何か
2018 / 01 / 25 ( Thu )
「盲導犬はかわいそうか」という記事のタイトルを自分で考えたものの、ふと思ったことがあります。
それは、そもそも「盲導犬は~」というように、日本に1000頭近くいる盲導犬をまとめて判断するのって、無理があるのではないか、ということです。
これは、数の規模は違うけれど「家庭犬(飼い犬)はかわいそうか」という問いを考えてみると、そのおかしさがはっきりします。
もし「家庭犬はかわいそうか」と問われても、、
「家庭犬って言ったって、厖大な数の犬がいて、それぞれの状況が違うのだから、まとめて判断するなんて無理だろう」
と誰でも思うのではないでしょうか
おそらくそれらの犬の中には、飼い主といつも一緒に幸せに暮らす犬もいれば、ちゃんとした心身のケアを受けられていないかわいそうな状況の犬もいて、それらの犬をひとくくりにはできないからです。
それは、「人間はかわいそうか」とか「動物はかわいそうか」という問いと同じで、個々の状況の違いを考慮しないで判断してしまうすごく大雑把な考え方だと思います。

盲導犬というと「かわいそう」と判断してしまうのも、それに似ていないでしょうか?
つまり日本に1000頭近くいる盲導犬全体をまとめて「かわいそう」と判断するのには家庭犬と同じように無理があるのでは、ということです。

これに対して、「いや、そもそも犬に仕事をさせる盲導犬というシステム自体が犬にとってかわいそうなのだ」という意見もあるかも知れません。
前の記事『盲導犬はかわいそうか』にも書きましたが、私は盲導犬に仕事をさせること自体を「かわいそう」だとは思っていません。
なぜなら盲導犬は教えられたことがうまくできたときにほめられる、という訓練を受けてきているので、障害物をよけたり段差で停まったりするたびにユーザーから「グッド!」とほめられることに喜びを感じているからです。

このように、訓練によってできるようになった仕事をした結果「よくできたね」とほめられることは、いぬにとってうれしい、と感じるものですし、それは私たち人間も同じなのではないでしょうか?
そしてもし仕事の中で犬が喜びを感じるのであれば、その仕事をさせることは必ずしも「かわいそう」ではないと私は思います。

それは逆に言えば、もし犬が仕事に苦痛を感じるばかりならば、その仕事をさせることは「かわいそう」かもしれない、ということでもあります。
だから「かわいそうな状況」の盲導犬がいるとすれば、それは盲導犬の仕事そのものではなく、しごとのさせ方や仕事を指示するユーザーとの関係から生じるものなのではないか、と私は考えています。

したがって私は盲導犬全体が「かわいそう」ということではなく、「かわいそうな状況にある盲導犬」はいるかも知れないと考えています。

大切なのは、個々の状況について考慮せずに「盲導犬はかわいそう」とか、逆に「盲導犬はかわいそうじゃない」とか思ったり言ったりすることではないと思います。
そういう議論は、犬が実際に置かれている個々の状況を把握した上での議論だとは思えないからです。

それより大事なことは、もしかわいそうな状況にある犬がいるのならどうやってその状況を改善することができるのか、そのような状況にならずにユーザーも犬もお互い幸せを感じていられるためにどうしたら良いのか、といったことを実際に考えたり実践したりすることなのだと思います。

では、かわいそうな状況の盲導犬、とはどんな状況なのでしょうか。
どういう状況を「かわいそう」と思うかはおそらく人によって違います。
なので、これはあくまで私の個人的な意見ですが、私は次のような状況が「かわいそうな状況」だと考えます。
①日常の生活で食事、健康管理、身体の手入れ、遊びや運動など、犬のQOL(生活の質)を保つことが考慮されていない状況
②ユーザーと犬の関係がうまくいっておらず、犬がユーザーと一緒にいても喜びを感じることができない状況
③犬の仕事に対して感謝やほめ言葉などがユーザーからかけられない、犬に対して愛情が注がれていないなど、犬の精神的な喜びが与えられていない状況
④ユーザーの歩行や精神的なサポートという仕事を何年も続けてくれている犬に対して敬意が払われていない状況

この①から④までの状況は、当事者やまわりの関係者が気づいて対処すればいつでも改善できるものなので、これらが守られていれば盲導犬が「かわいそう」な状況になることはあまりないように思います。

なんて書いていても、私もいつもすべてをうまくやっている、というわけではありません(笑)。
折に触れて、それぞれがおろそかにはなっていないだろうか、と自分でチェックし続けています。
そして、どうすれば良い状況にできるのだろう、としょっちゅう頭を悩ませています。
これは盲導犬ユーザーである限りずっと続くのだろうと思います。

現在の私のパートナー犬のシジミは、一般的な盲導犬のイメージとはちょっと違う犬かも知れません。
主張がかなりはっきりしていて、気持が顔の表情にも態度にも出るタイプです。
そして「仕事は楽しくないとイヤ」というはっきりしたポリシーを持っています(笑)。
なので、いわゆる「どんな状況でも命令に忠実にしたがって黙々と仕事をする」といった良く持たれがちな盲導犬のイメージとはかなり違います。
気持ち良く仕事をしてもらっていれば、しっぽを振ってグングン歩きますが、私の対応が良くないとだんだん眉間にシワが寄ってきて(笑)、仕事の集中が切れてきます。
私はシジミの歩き方がなんだか楽しそうじゃないな、と思ったときは、目の見える人に
「今、シジミはどんな顔をしていますか?」と聞くことがあります。
その答えが、
「シジミちゃん、なんだか眉間にシワが寄っていますよ」という時は、理由を考えて、その状況を変えるように努力します(笑)。
私の経験から、シジミが理由もなく「楽しくなくなっている」ということはなく、ほとんど私の対応に原因があるからです。
もちろん、そういう場合とは別に、たまに仕事中にシジミがじぶんのワガママを出すこともありますが、それはちゃんと注意をします。
こういう所は、なんだか社員教育や子育てに似ているな、とよく思います。

シジミは行動がけっこうわかりやすいので、「あ、こんな風に扱ってはだめなんだな」と学ばされることがおおいです。

一頭目のスースーは表情や態度に出すタイプではなかったのですが、今から考えると、初めての盲導犬に慣れない私がすることをずいぶん大目に見てくれていたのかも知れません。
いまさらながら、スースーには、よくわかっていなかった私を大目に見てくれたこと、そしてそれでもいつも笑顔でいてくれたことに感謝したくなるのでした。

そして、これを書いてている私の近くでしっぽを振りながら、こちらをじっと見て「私は?」と言っているみたいなシジミミにも、もちろん感謝、です(笑)。


☆最近読んだ本:
『利き蜜師物語 銀蜂の目覚め』小林栗奈著
『風の名前』パトリック・ロスファス著
『ニューヨークの魔法の散歩』岡田光世著
『働く動物と』金井真紀著
『犬が来る病院』大塚敦子著
『続ガイジンはつらいよ』ドン・マローニ著
『ではまた、あの世で 回想の水木しげる』大泉実成著
『河童の三平』水木しげる著
『ねぼけ人生』水木しげる著
『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』フランス・ドゥ・バール著
『これからの世界を作る仲間たちへ』落合陽一著

☆最近聴いた音楽:
『ラディリカン』クロノス・カルテット&トリオ・ダ・カリ
『夜のアルバム』八代亜紀
『4TO3』小川美潮
『檸檬の月』小川美潮
『南へ』モノンクル
『雪のための50の言葉』ケイト・ブッシュ
『フィルモア・イースト・ライブ』オールマン・ブラザース・バンド
『レッド』キング・クリムゾン
『アイランド』キング・クリムゾン
『矢野山脈』矢野顕子
『シューベルト:ピアノソナタ第13・21番』ラドゥ・ルプー

『ミリアド』ジェリー・オコナー
17 : 48 : 33 | 盲導犬 | トラックバック(0) | コメント(2) | page top
「おじさん、目が見えないの?」
2017 / 11 / 15 ( Wed )
先日、シジミと私が散歩をしていたときのことです。

私は、いつも散歩で通る小学校の裏手の細い小道のところでシジミにトイレをさせようとしていました。
そこはいつもひとけがないので、よくシジミにトイレをさせるのです。
私がシジミにトイレ用バッグをつけてトイレをさせようとしていると、何人かの小さな足音が聞こえて来ました。
そして、
「あ、ワンちゃんだ!」
とかわいい声がしました。
ふとそちらを向くと、小学校一年生くらいの小さな男の子たちがいました。ちょうど下校時間でこの道を通りかかったようです。

「ワンちゃん、かわいい!」
たちまち私とシジミのまわりに子どもたちが集まって来ました。

やがてそのうちの一人が私がシジミからはずして肩にかけていたハーネスにきづきました。
「あっ、『お仕事中』って書いてある・・・。えっ、もしかして盲導犬?」
私「そう、この子は盲導犬なんだよ」
この私の言葉に好奇心が刺激されたのか、まるで電球がパッと点灯したように子どもたちが反応したのがわかりました。
まるで「おおっ!」という声にならない声が聞こえるようでした(笑)。

すぐに、子どもたちは思いついた疑問をどんどん投げかけて来ました。
「えっ盲導犬なの?名前は何ていうの?」
「ねえ、さわってもいい?」
「おじさん、どこから来たの?」
「おじさん、どこへ行くの?何しに行くの?」

「ねえ、おしりのところに何をつけてるの?」
私「ああ、その袋にトイレをするんだよ」
「袋の中に何が入ってるの?見てもいい?」
「トイレって、ウ。コ?」(笑)

シジミはこどもたちに囲まれてしっぽを振っています。もうトイレどころではないようです(笑)。

やがて私はここでのシジミのトイレはあきらめて、歩き出すことにしました。
私「さあ、トイレをしそうにないからそろそろ行くね。」
「おじさんどっちに行くの?」
私「こっちだよ」
「おれたちも、いっしょ~♪」

そこで私とシジミは子どもたちと一緒に歩き始めました。
子どもたちはやたらにひっついて歩くので、なんだかシジミと私のまわりをかこむ、おみこしのかつぎ手たちのようです(笑)。
私「あのさ、つまずいたら危ないから、もうちょっと離れてくれない?」

しばらく歩いていると、一人の子が聞いて来ました。
「ねえおじさん、目が見えないの?」
私「うん、おじさんは目が見えないんだよ。」
「ふぅ~ん・・・。」
私「あ、シジミ、ちゃんと前を見て!」
「えっ、おじさんなんでわかるの?それ(ハーネス)を持っているからわかるの?」
子どもたちのすなおでまっすぐな質問は、聞いていてすがすがしいです^^。

やがて向こうから同級生らしい男の子がやってきて、私たちの一行を見つけました。
「あっ、盲導犬だ!盲導犬にはさわっちゃいけないんだよ!」
「知ってるよ~だ!。でも、おれたちさっきさわっちゃったもんね~!」

やがて私とシジミが右へ曲がるポイントにやって来ました。
「じゃあ、おじさんたちは、ここで右に曲がるね。シジミ、ライト、ゴー!」
「えっ、そっちに行っっちゃうの?じゃあバイバイ!」
私「ああ、バイバイ」
すると、私たちと同じ方向に行く子どもたちが答えました。
「これたち、こっち曲がるもんね~♪」

やがて、「バイバイ」というあいさつとともに、子どもたちは一人、また一人減ってゆき、最後の一人と「バイバイ」した後、シジミと私は家へ向かったのでした。

次の日、あの子たちは教室で
「きのう、おれたち盲導犬に会っっちゃったもんね~♪」
なんて、シジミと私のことを話してくれたでしょうか?


☆最近読んだ本:
『忘れられた巨人』カズオ・イシグロ著
『オルフェオ』リチャード・パワーズ著
『しごふみ2』雨宮 了著
『シンギュラリティは近い』レイ・カーツワイル著 
『31歳で天才になった男 サヴァンと共感覚のの謎に迫る実話』ジェイソン・パジェット、モーリン・シーバーグ著
『意識は傍観者である 脳の知られざる営み』デビッド・イーグルマン著

☆最近聴いた音楽:
『バルトーク:ピアノソロ作品集3』ゾルタン・コチシュ
『ラベル:ピアノ協奏曲ト長調、左手のためのピアノ協奏曲ほか』ゾルタン・コチシュ イヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団
『シチリアーナ リュートのためのアリア』つのだたかし
『ホルスト:組曲「惑星」』アンドレ・プレビン指揮 ロンドン交響楽団
『クロスアイド・ハート』キース・リチャーズ
『ベスト・バラード・コレクション』ロッド・スチュワート
『アメイジング・バド・パウエルvol.1』バド・パウエル
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